読書はどんなに遅くてもいいからじっくり読み、何度も読むのが大事。

僕が本を読み始めたきっかけは、漫画のキャラが読書好きという設定で真似してみようと思ったからだ。

どうせ読むなら名著や名作を読みたいと思って、海外の古典から入っていったんだけど難しくて何度も挫折した。

そもそも何を言ってるのか分かんないし、使ってる単語も見慣れないのでとにかくちんぷんかんぷんだった。

しかも、それは大人の向けの本だけではなくて、ハックルベリーフィンの冒険やライ麦畑でつかまえてなどの子供向けの本でもそうだったから文学というのはなんて難しいんだろうとよく思ったものだ。

これは僕の勝手なイメージだけど、本に限らず映画や音楽をヒットさせたければ大衆に広く伝える為に分かりやすく書かなければいけないというイメージがある。

だから日本の名作はテーマから登場人物の心情まで、身近で共感されやすいものが多いというイメージだ。でも、ヨーロッパの名作はこれとは逆で、とっつきにくい。

見たことはないけど一度くらいは聞いたことがあるような作品は世の中にいくらでもあるけど、海外の名作は有名な作品だからといって分かりやすいとは限らない。

むしろその逆である場合が多い。日本も海外も大衆が俗っぽいものしか好まず、思慮深く書かれた作品が受け入れられないといった悩みがあるはずなのに、この違いはなんなんだろう。

まぁとにかく何が言いたいのかと言うと、海外の作品は難しいということだ。

読書が趣味です、ということを人に言うと、大抵の場合は「最近面白かった本は何?」という質問をされる。僕は活字中毒なので特に面白いと思う本なんてものはなくて、僕の場合はどんなものでも「理解できる本」ならなんでも面白い。時間やお金をかけて本を出してる以上、一応読むに値すると思う。そして、その質問に次いで二番目に多い質問というのが、「月にどれくらい読むの?」だ。この質問は読書家にとって害にしかならない。読書スピードは速ければ速いほどただ作者の思考をなぞっているだけで何も考えずに読んでいる証拠だからだ。そして月にどれくらい読めたか、にこだわれば焦りを生んで文章を読んでいても目が滑って内容が頭に入ってこない。当然、著者が知識を総動員して絞った知恵も本当の意味では頭に入ってこないだろう。だから僕は、これから読書をしていきたいと思う人にこう言いたい。「読書から娯楽の要素を省いてただ勉学の為だけに読むと、スピードにこだわることになって全く実にならない。」さらに、できるだけ多くの知識を身につけたいという思いが速読などの間違ったやり方を始めるきっかけにもなるので危険だ。読書で一番大切なのは焦らないことだと思う。人生は短いので読む本は限られている。だから、読書スピードが大切だという気持ちは分かるけど、結局読書というのは知性のマラソンなんだ。そこに楽しさや気楽さがなければどれだけ根気のある人でも続かないと思う。もう一度言うが、読書で一番大切なのは焦らないことだと思う。